花を咲かせる創作

つまみ細工です。
江戸時代から伝統工芸としての、と語られますが元は、官女さん達が着物の裏地であった【羽二重】と言う薄い布を再利用して作った髪飾りや【薬玉】と言われたまんまるのつまみ花の飾りで、非常に庶民的な日常雑貨だと感じました。

薬玉は、【くすだま】のこと。
薬とは、薬草のこと。
今で言うハーブをドライポプリにして、それを包み込んで玉にし、匂いを利用したり虫除けにしたりしたと思います。

今現在、髪飾りに使う土台に、発泡スチロールのまん丸を半分にカットしたものを【はんくす】と名称されるのは、くす玉の半分、と言うことですね。

時々、まん丸の空洞の玉を作り、中にドライハーブを入れて、昔ながらの薬玉のかんざしを作ったりします。

飾りだけではなく、機能があったのがもともとのつまみ作品だったのでしょう。
あまり布を利用することから生まれた工芸である事は、忘れたくありませんね。

高価な絹や素材は、官女たちの手には入ることは無かったと思います。
また、いろんな色の種類も無かったと思います。花びらのつまみ方も基本2種ですが、いろんな工夫で、バリエーションは豊富に生まれます。

つまむ事で現れる印影も含めると、かなり表情豊かな花が生まれます。

大小様々な花たちを組むと、それはもう立派なかんざしなどになりますね。

花をつまむとき、花を咲かせる気持ちになれます。優雅な気持ちです。

だから、ぜひ、作る時はゆったりと時間を使って、決して急いで作ろうとしないと良いです。

急ぐ気持ちがピンセットを持つ手につながり、ピンセットが焦りますから失敗します。
すると、がっかりもしますからつまらない気持ちに。

つまらないと、つまらない。
当たり前ですが!

だから、綺麗に花が咲きましたねと、優しい気持ちでつまみたいですね。

気持ちも華やぐし、それは美しい時間が過ごせます。

つまみ細工は、決して難しくもなく、高額素材や教室は要らない手工芸です。

古くなった洗いざらしのハンカチや、シャツなどは絶好の素材です。
【おちりん】と呼ばれる、花を乗せる土台も牛乳パックやお菓子の箱みたいな、厚紙で間に合います。

昔ながらを意識しすぎて、絹の糸でぐるぐる巻かなくても、フラワーテープという便利なものが今はあります。
どんどん利用して良いと思います。

糊を使いますが、これだけは、私はボンドは使いません。
ボンドの匂いが気になるのと、ピンセットに着くと布が引っかかる原因になり、厄介でした。

糊は、デンプン糊を推奨します。
メーカーは問いません。
また、小麦粉を水から溶いてガスコンロでお料理みたいに手鍋でゆるゆる混ぜて作った糊もお勧め。

サラッとした使い心地だけど、乾くとしっかり着きますし、ボンドなどで見受ける糊跡が消えます。全く消えてしまうので、美しい仕上がりに。

やってるうちに気づいた事は、たくさんあります。

ひとまず、気づいたら、つまみ細工は10年になりました。
何もわからないまま、教室も近くに無く、しかも高額で手を出せず、見よう見まねで手探りで情報を得て、一番は、本を買いましたね(笑)

あと、どうしても知りたいとき、見たい作品があったら現地に行った事ありました。
『あの作品の裏側が見たい!』と、ネット画像では見えない部分が気になり。

山梨から、大阪へ(笑)
ただ、それだけを。

優雅な生き方でしたね。
今はできませんが。
私はそう言う時があります。
中国紐を結んでいた時は、台湾に紐を買いに行きたかった。
真面目に計画したけれど、行かないうちに熱は下がった。
でも、紐は大量にあります。

作ると言うことは、私には非常にダイナミックに元気が溢れちゃいます。

若い時よりは、眠かったら素直に寝ると言う諦めが早くなりましたけど、それも楽しく作るために必要な諦めですから。

無理はしないが、溢れる気持ちは何歳になっても変わりませんね。

おっと、花を咲かせる話が余談でヘアピンカーブしました。

ゆったり、幸せ味わって作る時間を愛しく思いながら花を咲かせましょう。

小豆茶房

創作雑貨屋・和と布と糸がキーワード 丁寧を暮らしの中に提案します

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